理学療法士として働いていて、人間関係で悩むことってないですか?
こちらの思いが伝わらなかったり、つらくあたられるのって悲しいですよね。
その悩みは信頼関係を築くことで解決します。
当たり前と言われれば当たり前なんですが、この信頼関係を築くのにもいくつかのコツがあるんです。
その方法を知っているか知らないかで仕事のしやすさやリハビリの効果が変わってきます。
今回は、総合病院に12年勤務し、多くの部署を経験してきた私が体験をもとにそのコツについて解説していきます。
理学療法士が信頼関係を築くことのメリット
信頼されてるのがいいのは当たり前だけど、あらためてメリットを挙げてみました。
治療効果が上がる
あなたが怪我や病気で入院した時、どんな方にリハビリしてもらいたいですか?
やっぱり、信頼できる人ですよね。「この人に任せれば良くなる」って思ってもらうこと、それだけで治療効果を高めることができます。これはプラセボ効果の一つでもあり、正常性のバイアスとも言えるでしょう。思いの強さが体を変えることもあるのです。
しかし、もちろん技術も必要であるのは言うまでもありません。
参考サイト:正常性のバイアス、プラセボ効果
さらに、自主エクササイズの指導を行う時も、信頼できる人だからこそ、継続してもらいやすくなります。そのため、長期的な効果も期待できます。
仕事の効率化
チーム医療において信頼は必須です。
他職種からの信頼があれば、自然と多くの情報を得ることができますし、雰囲気もよく仕事を進めやすくなるでしょう。お互いに話しやすく意見を共有しやすいことが重要です。ストレスを感じることも少なくなるのではないでしょうか。
コンフリクトマネジメント
コンフリクトは対立、衝突などと訳されます。
患者・家族からの苦情,さらには患者を取り巻くスタッフ同士の意見の相違が過剰となり対立関係に発展し,医療者の意に反して患者に不利益を与えるようなことも含む
理学療法ジャーナル48巻10号 理学療法におけるコンフリクト・マネジメント 三宮克彦
早期に患者さんと良好な信頼関係を築くことは自身や病院を守ることにもつながります。
信頼関係を築くコツ【具体例】
私の体験談も含めて解説します。
身だしなみ
第1印象は見た目で8割くらいが決まります。改めて書くことでもないかと思いますが、初見で「なんだかなぁ」って思われることってめっちゃ不利益なことなんです。そこをしっかり理解して、髪型や服装を検討しましょう。私はボタンは全て閉める派、靴下はスネの見えない長さをチョイス。
礼節
これも当たり前なんですけど、慣れてくる3年目くらいが気になる時があります。意識のない方、認知症の方でも人生の先輩に対して失礼のないよう接しましょう。
こんな本もあります。
単純接触効果
有名ですよね。
繰り返し接していると好意度や印象が高まる効果です。特に用がなくても会いに行く、話しかけるなども効果あり。他部署には電話を使わず、歩いていって顔を出すのもいいかもしれません。
GIVEの精神
与える精神。患者さんに対するギブは言わずもがなですが、これは他職種に対して効果が大きいと考えます。例えば、看護師さん・介護士さん、介助量が多くて移乗の大変な方がいたとします。毎回、離床のタイミングで介入すれば看護師さん達は助かりますよね。他にも、業務を妨げない、協力する。これも大切。検温や血圧測定、オムツ交換や体位交換、積極的に手伝いましょう。普段、患者さんがどのように介助されているか確認でき、治療プログラムに反映できることもあるでしょう。
傾聴と共感
主に患者さんですが、今後に不安があり、希望を見出せない方もいるでしょう。
ひたすら聞いてうなずく。それだけでいいんです。下手にアドバイスなんかする必要ありません。
「そう、なんですね」「それは、大変でしたね」「そう思うのも、無理ないですよね」「それも一つの考えですよね」などよく使うフレーズです。聞いて、共感する。まずはそこから始めましょう。
好きなことを語ってもらう
信頼関係を築くのに必要な会話のキャッチボールは6聞いて4返す程度です。もっと聞く割合が多くても構いません。その人の好きなこと、趣味のこと、子供のこと、配偶者のこと、なんでもいいと思います。対象の方に興味を持って接しましょう。自分でも好きなことを話している時って気持ちいいですよね。患者さんであれば、そこから目標を設定することもできるでしょう。他職種であれば、通勤途中や休憩中、勇気を出して話しかけてみると意外な一面が知れて面白いかも知れませんよ。
最後に
信頼関係を築くコツっていうとテクニックが先行しているように感じますが、まずは対象者に興味を持って接することが最重要だと思います。そこから自分が何をできるか、考えつつ行動に移していきましょう!明日からのコミュニケーションが変わる一助になれば幸いです。